日本スリングショット協会公式競技


・日本スリングショット協会の公式競技の詳細とルールを公開します。
・公式ターゲットペーパー(A4)やスコアシート(得点記録表A4)をダウンロードできます。
・各支部においては、協会本部開催の競技会・大会のみならず支部単位で自由活発な競技会開催を奨励します。
・支部長を含む会員2名(非会員不可)から競技会を開催できることとします。(1名では開催できません)
・競技会参加の会員の成績を協会本部に送付いただければ公式記録として認定し協会Webサイトにて公開します。
・支部の人数が少ない場合は他支部と合同開催も可能です。
・ルールに不備な点不都合な点等ありましたら理事会にて議論しますので、ご指摘ご連絡にご協力ください。

認定種目

1.スパニッシュ・ノックダウン(2ラウンド-60pt)


・1ラウンド制限時間5分
・1つのターゲットに何発撃ってもよいがターゲットの数以上は撃てない
※距離10mの倒れるターゲット直径5種7個

2.10ペーパー(2ラウンド-100pt)


・1ラウンド制限時間5分
・距離10mの紙のターゲット直径12cm

3.15ペーパー(2ラウンド-100pt)


・1ラウンド制限時間5分
・距離15mの紙のターゲット直径12cm

4.ブルースキーン・スピードシュート(2ラウンド-100pt)


・1ラウンド制限時間1分
・弾数制限無し
・距離10m(屋外)距離8m(屋内)
・350mlアルミ飲料缶10個(屋外)または通常サイズの紙コップ10個(屋内)
・残り時間によるボーナスポイント加算あり(秒/1ポイント)

360ポイントをパーフェクトスコア(満点)とする。
※ブルースキーン・スピードシュートのボーナスポイント別途加算

屋外の部及び屋内の部

現状のスリングショットの普及率から鑑みて屋外の競技会開催が行いにくい場合は、屋内の部の開催でも構わない。

1.屋外の部:Outdoor Section


・スパニッシュノックダウン(2ラウンド-60pt)
・10mペーパー(2ラウンド-100pt)
・15mペーパー(2ラウンド-100pt)
・ブルースキーン・スピードシュート(2ラウンド-100pt)
※使用弾は競技規定4のスチール弾とする。

2.屋内の部:Indoor Section


・スパニッシュノックダウン(2ラウンド-60pt)
・10mペーパー(2ラウンド-100pt)
・ブルースキーン・スピードシュート(2ラウンド-100pt)
※使用弾は競技規定4のプラスチック弾とする。
※屋内においては現状場所の確保が困難な支部もあることを鑑みて15mペーパーは除外とする。但し、競技が行える環境であれば15mペーパーも開催が望ましい。

競技規定(各種目共通)

1.スリングショット


市販・自作に関わらず本体の素材については問わないが動力エネルギー源としてゴム(平ゴム及びチューブ)を使用するスリングショットでなければならない。また、本体側及びポーチ側にゴム以外のものを間に挟んではならない。

2.以下の特徴を持つスリングショット及び撃ち方は禁止とする。


・リストブレース(手首保持装置)を使用して安定性を高めたスリングショット
※いわゆる"ファルコンタイプ”がこれにあたる
・スリングショット本体とゴムの取付位置が本体を保持した掌より著しく前にくるスリングショット
・光学照準器(スコープ等)及び光線照準器(レーザー等)及びその他の補助光照準器を備えたスリングショット
※上記にあたらない照準器(オープンサイト等)の使用は認められる
・ゴムを二重以上に増やしたもの及び連結したもの
・トリガー(発射前装置)を備えた(別部品でも)スリングショット
・何かにもたれかかる、椅子に座る等の身体以外の何らかに固定を依存する撃ち方
※但し車椅子を使用しなければ移動が困難な者は除く
・競技ラインに立った競技者練習者以外は弾をポーチに装填してゴムを引くポーズを取ってはならない
・競技場内での空撃ち

3.ゴム


様々な平ラテックスバンドまたはチューブを使用でき、ゴムの長さと厚さは問わない。

4.ポーチ(弾保持皮革等)


市販、自作に関わらず、皮革・人工皮革等、様々な素材を使用可能とし、大きさ及び厚さも問わない。

5.弾


10mm・9mm・8mmのスチール弾を使用可能とする。鉛弾、クレイ弾、ガラス弾などスチール弾以外の弾の使用は禁止とする。但し、室内競技においては10mm、8mmのプラスチック弾のみ使用する。

6.競技場


原則野外。前後左右に人、動物、民家及び建造物等が無いこと。できれば塀・壁等で四方を囲まれていることが望ましい。特に発射方向後方には十分注意確認し、弾がターゲットをそれても受け止めるバックストップを設置し安全を確保できる場所であること。室内においても上記に準ずる。

7.審判


各競技において、参加者の中から最低1人の審判兼得点計測者を置く。運営上1人では競技進行に差し障りがある場合、追加人数を置くことができる。参加者は積極的自発的に審判及び得点計測者となることが望ましい。

8.シューティングライン(射撃線)


各競技においてシューティングラインを定める。競技者はライン内側に立ち、ラインを踏んだりはみ出したりしてはならない。この際、ライン内側に立ちスリングショットを前方に突き出すと線を超えるかのように思うが弾の保持はライン内側なので可とする。

9.競技の進行


競技の実施順は特定しないものとする。各支部長の判断により毎回競技順は変更も可。毎回同様でも可とする。また、一種目を参加競技者が全て終えてから次の種目へ進むことを原則とするが、運営進行上の理由により運営責任者の判断で一種目の終了を待たずに次の種目に進むことを認める。また競技者はラウンドの途中でその場を外してはいけない。但しやむを得ない理由がある場合は運営責任者の確認を取ることとする。

10.その他の事項


・競技開始後にスリングショットの交換及び部品の交換をしてはならない。
・種目別にスリングショットを変えるのは可。
・ラウンドの途中及びラウンド間でスリングショットを変えてはならない。
・ラウンドの途中でゴムが切れた場合、得点のカウントはその時点までとする。
・ラウンドの途中でゴムが切れた場合、次ラウンドまでに新ゴムをつけるのは可。
・但し、長さ及び厚さを変えてはならない。
・得点の判断・計測及び記録は競技者以外の者が行わなければならない。
・判定は審判の判断に従い審判には敬意を持って接しなければならない。
・ターゲット及び設備の不慮の不備等また競技者の責任外の事態で競技が進行しない場合、当該ラウンドの最初から競技をやり直すことができる。但し、それまでのポイントを引き継ぐことができず一切のやり直しとなる。
・各ラウンドは制限時間があるが進行上疑義が生じた場合はすぐさま時間を止めて疑義解消後に再スタートすることができる。

11.免責


競技進行中、何らかの不測の事態が発生し得点計測が困難な場合、低いほうの得点を優先する。また、ルール及び競技の設置等において変更の可能性が生じた際は理事会の議決をもって変更可能とする。

競技種目詳細

スパニッシュ・ノックダウン

1.架台


・材質は木製金属製、自作市販代用その他問わないが安定した架台が望ましい。
・下段の高さは地面より120cmとし上段はそこから20cm上がった位置とする。
・ターゲット間の距離は下段は18cm間隔、上段は13cm間隔とする。
・架台の内寸は原則90cmと示してあるがある程度許容される。
・十分なバックストップ(弾の衝撃吸収装置 例:布をカーテン状に垂らす等)を設置すること。

2.ターゲット


・ターゲットの材質は皮革、ゴム等問わないが折れたりよれたり破損したりしないよう幾枚か貼り合わせ、スチール弾の衝撃に耐えうる材質が望ましい。
・架台とターゲットの取り付け方法は倒れるもの・落下するもの、特に定めないが撃ち損じて架台に当たった際、振動で倒れたり落下したりしにくい取り付けが望ましい。例として磁石を活用等。
・ターゲットの色は特に定めないが視認性の良い色が望ましい。例としてバックストップが黒なら白、バックストップが白なら黒または赤等。

3.競技


・距離10m
・2ラウンド
・審判のスタートの合図以前に弾をポーチに装填し構えていて構わない。
・1ラウンドの制限時間5分以内
・1ラウンド7発
・狙う順番は自由
・1ターゲットに何回撃っても構わない
・かすって倒れない落下しないターゲットは当たっていないとみなす
・当たっていないにも関わらず振動等で倒れた場合は時間を止め設置直し後再度継続

4.得点


4.5cm:10pt
7.5cm:6pt
9.5cm:4pt
11.5cm:3pt
12.5cm:2pt

1ラウンド/30pt
パーフェクトスコア/60pt

10ペーパー(Ten meter Paper)及び15ペーパー(Fifteen meter Paper)

1.架台


・形式、材質等、自作市販代用その他問わないが安定した架台が望ましい。
・十分なバックストップ(弾の衝撃吸収装置 例:布をカーテン状に垂らす、キャッチボックスを利用する等)を設置すること。

2.ターゲット


・ターゲットペーパーは本協会公式ターゲットを使用。
・適宜印刷しダンボール等に留める(ホチキス等)
・印刷は視認性の観点からカラー印刷を推奨
・紐及びロープ等で吊るす形式よりも固定できる形式が望ましい。
・ターゲットの高さはターゲット中心点を地面より120cmとする

3.競技


・距離10m(距離15m)
・2ラウンド
・審判のスタートの合図以前に弾をポーチに装填し構えていて構わない
・1ラウンドの制限時間5分以内
・1ラウンド5発
・ターゲットの円外及びペーパー外はゼロポイントとする。
・得点計測は弾痕を最終判断とするが同一痕の可能性もあるため双眼鏡等での同時確認計測が望ましいが必須ではない。

4.得点


10リング内:10pt
9リング内:9pt
8リング内:8pt
7リング内:7pt
6リング内:6pt
5リング内:5pt
4リング内:4pt
3リング内:3pt
3リング外:0pt

ラウンド/50pt
パーフェクトスコア/100pt

三脚を使用したターゲットペーパーの設置例

ブルースキーン・スピードシュート(Blue Skeen Speed Shoot)

1.架台


・形式、材質等、自作市販代用その他問わないが安定した架台が望ましい。
・十分なバックストップ(弾の衝撃吸収装置 例:布をカーテン状に垂らす、キャッチボックスを利用する等)を設置すること。
・天板横幅長さは特に定めないが空缶を並べた概ね長さ155cmを十分余裕のある長さとする。
・天板奥行きは特に定めないが10cm程度が目安となる。

2.ターゲット


・屋外では350ml飲料空缶、屋内では通常サイズの紙コップとする。
・参加者が各自持参とする。
・ターゲットの高さは地面から空缶下端まで90cmとする。

3.競技


・距離10m(屋内時は8m)
・2ラウンド
・本種目は遊びの要素やエンターテイメント性を持たせた種目とする。
・規約及び本競技規定に則ったスリングショットであれば次弾を含む複数弾を手に保持するマグネットリングの使用や弾倉の機能を持たせたものやプーリー(滑車)式ゴムなど自作して構わないものとする。※2023年10月改定
・審判のスタートの合図以前に弾をポーチに装填し構えていて構わない。
・1ラウンドの制限時間1分以内。
・制限時間内であれば何回撃っても構わない。
・ヒットしても架台より落ちなければカウントにならない。
・ヒットした空缶が動いて隣等の空缶に触れて架台から落下してもカウントとなる。
・架台等のミスヒットの振動で落下したらノーカウントとなる。
・風等、不測の事態で落下したら初めから再トライとなり、それまでのカウントは計測されない。

4.得点


1個落下/5pt
10個全て落とし、かつ、時間が残っていたら1秒につき1ptをボーナスポイントとして加算

ラウンド/50pt
パーフェクトスコア/100pt
ボーナスポイント:秒/1pt

競技名称の由来
リチャード・"ブルー"・スキーン。初の全米スリングショットチャンピオンシップ優勝者。優勝回数は5回に渡る。ブルーは正確な射撃に優れており、かつては30フィート(約9m)から3インチのターゲットに156発を連続ヒットさせた。ブルーのもう1つの得意分野がスピードシューティング。なんと1分間に18発以上の正確なショットを放つことができたという。そうした数々の功績によりスピードシューティングのことをブルースキーン・スピードシューティングと呼ばれるようになったそうである。ちなみになぜブルーか?というと、実は名前ではない。子供の頃バットマンが好きで青いマントに憧れていて母親がボロ布で作ってくれたのが嬉しかったそう。そこから彼のあだ名『ブルー』が始まったという。